出産予定日が近づいてきて妻も自分もそわそわし始めた秋頃、急に妻から連絡が…。
え?今から緊急入院?
急な連絡でパニック状態。
出産まで入院が必要という事実と、上の子らどうしようという不安でいっぱいでした。
その後、無事出産し妻は退院!
ただ入院&出産に関する領収書を見ても何がなんだがさっぱり。
理由は高額療養費、付加給付金、出産育児一時金、等々が絡んでいたり、医療費に該当するものとそうでないものがごっちゃになっていて超難解だったから。
これ、医療費控除できそうやしちゃんと領収書見ないと。
この記事では、私が医療費控除をやり切るために複雑な領収書を読み解いた内容を実例をもとに記載しています!
同じ状況に置かれるパパは少数だと思いますが、私自身情報が少なくて苦労しました。
家族分の医療費控除をまとめて行うパパは多いと思いますので、そんなパパにこの記事が刺さればうれしいです!
- どういうときに高額療養費、付加給付、出産手当一時金が絡むか
- 高額療養費、付加給付、出産手当一時金が領収書にどう反映されるか
- 医療費控除を見据えて、どこを確認するべきか
がんばる父家の複雑な状況の説明
まずは我が家の状況について説明します。
第三子の出産を控えた昨秋に妻が緊急入院…最終的に入院は2か月程度続き、その後無事出産を迎えました!
医師からは幸いにも(?)出産は医療費扱いになると説明があり、入院費用プラス出産費用で医療費が高額になったため高額療養費を受け取りました。
ちなみに妻は区分エだったので、どれだけ医療費が高額になっても自己負担額は\57,600-です。

更に出産育児一時金と、健康保険組合独自の付加金もいただきました。
健康保険組合独自の付加金については
「高額療養費 付加金」でググると色々出てきます。
簡単に言うと高額療養費よりももっと自己負担額が減る仕組み!助かる!
支払った医療費は10万を余裕で超えていたので医療費控除する覚悟はしてました。
色々給付されたし絶対ややこいやん…
と思いながら2月を迎えました。
領収書を読み解いて何が起こっているか整理
確定申告に先立ち、入院中の領収書を見返して何が起きているか把握することにしました。
病院によって多少表現は違うと思います。
金額もがんばる父の場合ですが、参考にしてください!
入院した月の実際の領収書(まだ生まれてない)
まず入院した月の領収書について読み解きます。
実際に支払った額は以下。
医療費: ②+④ー付加給付金(\27,000-) = \70,780-
自費: ⑤ = \76,632-
内訳は以下です。
保険給付 | 保険給付(食事療養費) | 保険給付外 (⑤) | |
総医療費 | \1,980,760- (①) | \55,440- (③) | \76,632- |
自己負担額 | \57,600- (②) | \40,180- (④) | \76,632- |
高額療養費
高額療養費により、医療費の自己負担額は②の通り\57,600-まで下がりました。
つまり給付された高額療養費は (①×3割)-②=\536,630- ということになります。ほんま助かる…!
付加給付金
なお病院の領収書には記載はありませんが、保険組合の付加給付金により自己負担額が約\30,000-になるように別途給付がありました。給付額は \27,000- これも助かる…!
入院中の食事代
入院中の食事代は、他の医療費とは別で記載されていました。
実際の額(③)と標準負担額をもとに計算した額(④)が併記されていました。
ここでも ③-④=\15,260- の給付が…助かる…!
標準負担額といって、一般所得者の場合は入院中の食事代は490円/1食と定められています。
妻は入院日は夕食だけ、それ以降(27日間)は3食食べていたので以下の通り請求がありました。
\490 + ( \490 × 3食 × 27日) = \490 + \39,690 = \40,180-
自己負担費用
⑤にはインフルエンザの予防接種費用、入院に関する文書発行代、病衣代などが含まれます。
この分は医療費控除の算出に使用することはできません。
出産&退院した月の実際の領収書
続いて出産と退院をした月の領収書です。
出産したため出産育児一時金が付与されており、その分が差し引かれた状態で請求が来ました。
そんな状況で実際に支払った額は以下。
医療費: ②+④ ー 出産育児一時金(\86,020-) =\0-
自費: ⑤ ー 出産育児一時金(\413,980-) = \40,000-
内訳は以下です。
保険給付 | 保険給付(食事療養費) | 保険給付外 (⑤) | |
総医療費 | \936,200- (①) | \39,860- (③) | \453,980- |
自己負担額 | \57,600- (②) | \28,420- (④) | \453,980- |
出産育児一時金
出産育児一時金の\500,000-は差し引かれた状態で請求が来ました。
医療費の負担額(②+④)を0円にして、余った分を自己負担額(⑤)から引く、という流れです。
高額療養費と食事代
保険給付と食事代は先月と同じ考え方で給付がありました。
高額療養費:(①×3割)-②=\223,260-
食事代:③ – ④=\11,440-
出産育児一時金により医療費の自己負担額が実質0円になったため、
先月のように健康保険からの給付金はありませんでした。
自己負担額
⑤のほとんどは分娩費用と差額ベッド代です。
なので本来自費で払うものですが、先述した通り出産育児一時金のおかげで負担額が大幅に下がりました。助かる…!
経腟分娩(医療行為ではない=医療費にならない)か、
帝王切開(医療行為=医療費になる)か、によっても医療費は変動します。
ただし経腟分娩でも状況によっては医療行為扱いで医療費になります。
その場合は3割負担かつ高額療養費が適用されて金銭的には少し楽になります。
確定申告(医療費控除)に向けた準備
上述した状況の場合のように医療費が10万円を超える場合、確定申告で医療費控除を申請できます。

医療費控除の申請に向けて、領収書のどこを見たらよいのか…?
医療費控除の申請方法
医療費控除のやり方として代表的なものは以下の二つ。
- 医療費集計フォームで入力して確定申告書に反映する
- マイナポータル連携を利用して確定申告書に反映する
それぞれで領収書の見る場所が変わります。

医療費集計フォームで入力して確定申告する場合
まずは医療費集計フォームを使用する場合です。
集計フォームの作り的に、A:本来負担すべき金額とB:色々な補助のおかげで負担しなくてよくなった金額(例えば高額療養費、出産一時金)を書くようになっています。
領収書にB(実際に補助された額)の情報が書かれていない…。
その場合、上述したようにどれだけ補助があったか自分で計算する必要があります。
計算に必要な情報(領収書の見るべき箇所)は上述した計算式をチェック!
加えて健康保険からの給付金も高額療養費も含めてB(実際に補助された額)の情報として記載する必要があり、余計ややこしいです。
正直、マイナポータル連携している方であればそちらを使う方が断然ラクです。
マイナポータル連携で確定申告する場合
続いてマイナポータル連携を使用する場合ですが、こっちの場合特に領収書はチェック不要です。
マイナポータル連携の場合、実際に払った金額が取り込まれるようになっています。
なので集計フォームのように実際に補助された額は計算不要です。
ただし、領収書に含まれない健康保険からの給付金については
別途申告が必要なので注意!
【まとめ】入院を伴う出産における領収書はややこいがちゃんと見なきゃダメ!
この記事では、がんばる父が遭遇したケースにおける領収書を読み解き、確定申告に向けてどんな情報を整理しないといけないか記載しました。
同じような状況になるパパは少ないと思います。
ただもし同じような状況になってしまった場合、家族のサポートや金銭面への不安などでいっぱいいっぱいになってしまうでしょう…。
そんなときにこの記事が参考になり、状況の整理や確定申告に向けた心の準備の一助になればいいなーと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!
